「香港は北京語が通じるから大丈夫!」って言ったの誰? バッチ来い広東語(1)

突然ですが、私は台湾が大好きです

きっかけはやっぱり、ドラマ「流星花園(台湾版・花より男子)」。
主人公・つくし役の女優さんが体の見えるところに普通にタトゥーをしてたり(貧乏設定なのにタトゥーをする金銭的余裕があるのかい?)、天然パーマがトレードマークの道明寺が突然イメチェンしてストレートパーマをかけたり(ヘアセットがめんどくさかったのかい?)…と、俳優さんもスタッフさんもやりたい放題というか、そのいい感じのゆるさと解放感に魅力を感じて台湾にどはまりしました。

中国語=北京語だけ? 日本語=標準語、関西弁、京ことば、津軽弁…etc

その後、縁があって日本語が達者な台湾人の友人もでき、台湾には合計7回旅行したことがあります(そのうち2回は一人旅)。
こうなってくると次にやりたくなるのは台湾周遊旅行。私は英語ができないので、台湾において一人で行動するエリアは台北と台北から電車で行ける範囲の近隣県のみ。少し離れたところに行くためにはツアーを利用しないと厳しくて…。だから、英語は無理でも中国語が話せたらいいなあ、と漠然と思い語学教室の門をたたきました。

当時の私は中国・台湾・香港で使用する漢字や言語について無知で、とにかく「中国語!中国語!」だったので、受講料と立地を考慮して入門したのは中国大陸出身の先生が指導してくれる北京語講座。ここにきて初めて、中国・台湾・香港で使用している漢字や言語の違いというものがあることを認識しました。

中国 台湾 香港 日本
字体 簡体字 繁体字 新字体
言語 北京語
(普通話)
広東語 日本語

中国大陸出身の先生なので、あたりまえですが簡体字で北京語を教わっていました。(すごくいい先生でとても楽しいクラスでした)
しかし、「中国の幼児レベルの北京語(レベル低…)は習得することができたかしら」と思った頃に香港に引っ越す話が出てきました。

香港でも普通話(北京語)は通じる?
標準語(東京弁)は大阪でも通じるよね

今更英語を勉強しなおすのも、改めて広東語を勉強するのもめんどくせぇ…

香港に引っ越すにあたって、それまで勤めていた会社は当然退職することとなりました。香港在住期間は未定とはいえ、いずれは日本に帰る身。日本に帰国した後、社会復帰をする可能性を考えれば、この間にやりたいことは盛りだくさん。

やっぱり出産・育児はある程度済ませておきたいし(こればっかりは運次第)、仕事に困らない程度の資格や技術なんかもできれば身に付けておきたいな。でも、何をする??これといって始めてみたい習い事もないし、趣味も旅行ぐらいしかないし。だけどブログは始めてみようかな。仕事で少しだけかじったHTMLやCSSをすっぽり忘れちゃったらもったいないし(残念ながら、すでに忘れかけている)。そう考えると、北京語も継続して勉強したいな(残念ながら、すでに忘れ…)。でも、香港って広東語と英語がメインなんだよな。そんな環境で北京語に対するモチベーションを保ち続けることはできるのかな?

そんな時に、北京語の先生と香港人の先生からこんな素敵なお言葉を頂きました!!

香港は中国に返還されてもう20年経つから、徐々に中国化が進んでるんだよ。
だから、街を歩いていると結構北京語が聞こえてくるよ。
今まで習った北京語が役に立つよ!そうだよね、X先生?
そうですね。香港でも、北京語を少しずつ話してますね。
まじすか!香港人のX先生が言うなら安心だーーーい!
香港でも北京語勉強するぞーーー!

「今まで勉強したことが役立つときが来る」と思うと、ますます香港行きが楽しみになってきました。日本に住んでいる中国人や台湾人は、たいてい日本語がペラペラなので、ついつい甘えて日本語でしゃべっちゃうんですよね。何事も、己を知ることこそが目標達成への近道。先ほども書きましたが、しょせん私の北京語は中国の幼児レベルですから、北京語もしゃべれる香港人にぶつかってみることで、自分のダメさに気づき、北京語習得に対するモチベーションを上げることができるんじゃないかと。

しかし、百聞は一見に如かず。この時の私は、「香港において北京語を話す」ということに何の疑問も抱いていなかったのです…。

「北京語と広東語=東京弁と津軽弁」並みに通じ合えない?
それだけじゃ済まない話

最初に私が香港人に接触したのは、夫の知人が開いてくれた歓迎会。日本人の方も数名いらっしゃいましが、参加比率は香港人が圧倒的多数派。夫は英語が話せるので香港人とのコミュニケーションには困りませんが、私は英語もダメ。完全アウェーです。でも、先生を信じて北京語で香港人との会話にトライしてみました。結果…大撃沈

  1. 北京語で話す
  2. 伝わらないから日本語で話しかえる
  3. 夫が英語で通訳する
  4. 知人(香港人)も英語で返す
  5. 夫が日本語に訳す

これのループ。唯一伝わった北京語は夫に対して言った

減肥!jianfei!
(ダイエット!)

これだけです。でも香港人大爆笑でした。ヨッシャ!
私の発音が悪い&文の構造がおかしいから北京語が伝わらない、これも大いにあると思います。

しかし、その直後、当時住んでいたサービスアパートでこんな場面に遭遇しました。

そのサービスアパートは一般的なホテルと同じように、土足で入るタイプで、部屋ごとに使い捨てのスリッパが滞在人数分用意されていました。しかし、私は夫より1カ月ほど遅れて香港に来たため、私が入室した時には私の分のスリッパがなかったのです。だから、アパートのコンシェルジュに北京語でこのようにお願いしました。

请给我送一双拖鞋。qing gei wo son yi shuang tuoxie
(私にスリッパをください)

※正しい北京語かは不明

“一双拖鞋(yi shuang tuoxie)” is mandarin.
Cantonese is “一對拖鞋(yat doei to hai)”.
Repeat after me.
ヤッドィートーハイ!!
(伝わったけど訂正された…)

北京語伝わったんです!
でも、つたない北京語が伝わった喜びがある一方で、「広東語で言いなおすように言われた…」っていうのが私の中でかなり衝撃でした。

そんな出来事を母にLINEで伝えたところこんなお返事がきました。

昔、香港に住んだことがある人から聞いたんだけど、香港人に北京語で話しかけるのはマズイらしいよ。
香港人って、中国人のことを小バカにしてるから、北京語で話しかけられると「あの人たちと一緒にしないでよ、プン」って気持ちになるんだって。
注:個人の意見です。
まじか…

母の知人が、香港人から直接そのように聞いたのか、実際に香港に住んでみて肌で感じたことなのかは不明ですが、香港で北京語を使うのはあまりよろしくない雰囲気…。大阪の人が「東京弁まじ気取ってるわ~」って言うのとは、比較にならないほどマズそうなのはなんとなくわかる。

そんな話を夫にもしたところ、

そうだよ。香港の人に北京語で話しかけるのは失礼にあたるからね。
広東語で話しかけたほうが喜ばれるし、できないなら英語で話した方が無難だよ。
だから広東語の勉強を始めた方がいいよ!
へえ、そうなんだ…。
(そんな大事なことは先に言えよ、豚やろう!大体、自分だって「以前、香港に住んでた時は広東語じゃなくて北京語習いに行ってた」とか言ってたじゃねえか!)

最終的にはやはり「郷に入っては郷に従え」で、広東語の勉強を始めることにしました。一時的とはいえ、香港に住まわせてもらっている立場だからこそ、その土地の言葉・文化に馴染む努力、歩み寄る努力をしていかなければなりません。正直、私に語学習得のセンスは皆無なのですが、よく行くお店で覚えたばかりの広東語を使うと、店員さんがニコニコ対応してくれるので「もっと広東語の勉強、頑張ろう」という気持ちになります。

「東京弁は気取ってる」と話す大阪の人に歩み寄ろうと関西弁で話しかけても「エセ関西弁を使うな」って怒られるだけだから、もしかしたら同じ日本人よりも香港人の方がシンプルで付き合いやすいかもしれないですね。
※決して大阪の人をディスっているわけではありません。ちょっとケンミンショーの見過ぎなだけです。好きやで大阪!

最後に…

誤解なきよう補足いたしますが、私に北京語を指導してくださった先生は、本当に周りに気を遣う方で、テレビで取り上げられるようなTHE 中国人(声デカい、順番守らない、買い物大好き)とは全然違います。むしろ、価値観やモラルに関しては完全に日本人寄りです。香港や台湾の方が同席している食事会では、政治的な部分に触れないように発言内容にかなり気をつけていますし、彼らの前で「みんな中国人だよね!」なんてケンカを売るような発言は絶対にしません。もちろん、生まれてから日本に来るまでの二十数年余りを中国で暮らしてきたからこそ、彼女なりに思うことや考えることは色々あるようです。でも、そこは無用な争いを避けるため、人間関係を円滑にするため、思想信条を表に出したりはしません。

おそらく、純粋に「あれ?香港でも北京語通じるじゃーん★」と思って言っただけだと思います。デパートのセールの時期になると、中国人が空のスーツケースを持って香港に大量に押し寄せてくるという話を聞いたことがあるので、接客業の方なんかは北京語もスムーズに話せるのではないでしょうか。おそらく、たまたま先生に接触した香港人が「あれ?中国の人?じゃあ、北京語で話すか」と考えて、北京語で対応していただけじゃないかと思います。香港人はマルチリンガルが多いですから。ああ、うらやましい。



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