拾った財布をポストに入れる!? 微妙に良心的な香港人の話

年末に私がオクトパスを落としたことをこのブログに書きましたが、今度は夫がやらかしました。
わが夫、現金・香港IDカード・キャッシュカード・香港のクレジットカード・日本のクレジットカード、その他もろもろ大事なものが入った財布をどこかに落としてしまいました!

オクトパスを落とすのも結構問題だとは思いますが、財布を落とすってかなりの一大事です。まず、心を落ち着かせ、記憶を整理して、どこで落としたのかを考えてみました。

お財布を拾ったら…交番でもなく、ゴミ箱でもなく、郵便ポストに投函!?

その日は、夫の仕事が終わった後に尖沙咀で待ち合わせをして食事をしました。夫が財布がないことに気がついたのは、お会計の時。

さ…財布がない!
なんてこったい!幸い、その日は私も現金を少し多めに持ってきていたので事なきを得ましたが、夫のこの一言で私の酔いは一気に覚めました。
夫が言うには、

  • 朝、財布をカバンに入れた
  • 夕方、タクシーで尖沙咀まで来た
  • タクシーはオクトパスで支払った
  • カバンの中身を漁ったタクシーで落とした可能性が高い
なんでいつも現金で支払ってるのに今日に限ってオクトパスでタクシー代を支払ったの?その時点で財布がなかったんじゃないの?
わからない。なんとなくオクトパスで支払った
もしかしたら会社に忘れただけかもしれないから、一旦会社に戻って確認しよう!

大急ぎでタクシーに乗り込み、会社方面へと向かう車中、

さっきのレストランに落ちてないか電話してみる
一応、周りを確認したけど財布らしきものは落ちてなかったよ。でも、念のため電話したほうがいいかもね

夫が先ほどのレストランに英語で「さっきまでレストランにいたこと」「もしかしたら財布を落としてしまったこと」を電話で説明するものの、英語が話せない人だったのかなかなか伝わらない。
すると、話を聞いていた運転手さんが

(英語で)
財布落としたの?俺が広東語で話してあげるから電話貸しな!

や…優しい!!運転手さんが広東語で電話すると話がスムーズに伝わりました。しかし、お店にそのような財布はないと…。がっかりしていると、運転手さんが色々教えてくれました。

他に心当たりはないの?
もしかしたら、会社から尖沙咀までに乗ったタクシーの中かも
それなら、1週間もすれば郵便局から電話がかかってきて、あなたの自宅のポストに届けられるよ

はい?ちょっとよくわからないけど、ここにきて「郵便局」という単語が出てきました。
英語だったため正確ではありませんが、運転手さんの話によると、

ほとんどのタクシー運転手は財布が落ちているのを見つけたら、郵便ポストに投函するんだよ。それで、郵便局が財布の中に入っているIDカードをもとに、警察が持ってる情報と突き合わせて、郵便局が落とし主に連絡をするんだ。
ただ、その場合、現金は抜かれてるだろうね。でも、カード類は大丈夫だと思うよ。
クレジットカードやキャッシュカードを使ったら、簡単に足が付くからね!

本当に?香港の郵便局ってそんなことまでしてくれるの?それもポストマンの仕事の範囲なの?
いや、そもそも、落ちてた財布から現金を抜くような不届き者は、足が付くカード類はゴミ箱に捨てるんじゃないの?

香港では、パスポート番号よりも香港ID番号の方が超重要!?

運転手さんにお礼を言って、夫のオフィスの机周りを血眼になって探しても、結局お財布は見つかりませんでした。お財布が届いていないか、香港警察に電話をかけたもののなかなか繋がらず、私達は会社近くの警察署または交番をGoogleで探して直接遺失物届けを出しに行くことにしました。

ねえ、オフィス街なのに最寄りの警察署が隣の駅の近くなんだけど!(徒歩20分弱)

なんということでしょう。私は人生の大半を東京都内で過ごしていたからかもしれませんが、香港にも交番は1駅に最低1つはあるぐらいの感覚でいました。のちに、広東語の先生に教えてもらいましたが、

香港にも交番はありますが、基本的に大きな団地のような場所にしかありません。銅鑼湾や尖沙咀のような繁華街に交番はありません。

だそうです。銅鑼湾や尖沙咀こそ交番がいくつもありそうですが、人手不足なのか土地不足なのか、平和なのか…。いずれにせよ、私達は徒歩で隣の駅の警察署まで出向くことにしました。

時刻は既に23時半頃。警察署に入ってすぐの、受付のような場所に座っている婦警さんに事情を話し、その場で遺失物届を書くことになりました。

香港IDカードも落としたからID番号もわからないんだけど…
は?ID番号わからないの!?
あ、でもパスポートのコピーは持ってるからパスポート番号はわかるよ
パスポート番号じゃダメよ、ID番号じゃなきゃ。
なんでパスポートはコピーしてるのに、IDカードをコピーしてないのよ!

婦警さんに叱られて夫婦共々、しゅんとしてしまいました。

ID番号がないと探せないのよ。今日は家に帰って、明日会社でID番号を確認してから、改めて遺失物届をだしたら?
それに遺失物届なら、スマホアプリからでも出すことができるわよ
そんなことができるんですか!?
香港警察アプリ

香港警察が提供しているスマートフォンアプリの画面(iPhone版)

  1. App StoreもしくはGoogle playで「hong kong police」を検索し、ダウンロード
  2. 左上のメニューボタンをタップ
  3. メニューの「e- report room」を選択
  4. 警察に届け出たい項目を選択し、必要項目を入力

私たちの場合は、一番上の「lost property」ですが、観光で来ている方は「(visitor)」がついてる方をタップしましょう。騒音苦情や犯罪のタレコミもこのアプリでできる模様です。

帰ったら夫のスマホにダウンロードして、明日出勤したらすぐに総務の人にID番号を確認して、スマホから届けを出すしかないか…などと考えていると

あった!

ずーっとスマホをいじっていた夫がついに希望の光を見出しました。なんと、以前スマホを契約した時の契約書(ID番号入り)を写真におさめていたのです。よくやった!偉いぞ、夫!

これでなんとかその日のうちに遺失物届けを出す事が出来ました。いえ、その日のうち…ではありませんでした。正確には翌日でした(笑)

はい、受理しました。
あ、そうそう。もし、郵便局から電話が来たら、すぐに私達に知らせてね

ど、どこまでも出てくるのね、Post office。もう、この日だけで何回この単語を聞いたことか!

そして、私達は疲れでフラフラになりながら、深夜の香港をタクシーで飛ばして帰路につきましたとさ。

落とした財布の発見場所を教えてくれない香港警察

家に着いてからも、クレジットカード会社の電話番号を調べては停止の電話をして、その日は2時頃になってようやく一息つくことができました。

といっても、停止できたのは日本のクレジットカードだけで、香港で契約している銀行とクレジットカード会社は夜中まで営業していませんでした。「悪用されていませんように」と祈るような気持ちで、その日は浅い眠りにつきました。(とても深くは眠れなかった)

そして、翌朝、銀行・カード会社の営業が始まり次第、紛失と停止の電話をして、夫は出勤しました。夫が会社に着いて、1時間程経ってからLINEが届きました。

財布が見つかったって昨日の警察から連絡があった!カード類は無事だって!
嘘でしょ!現金は?現金はどうなの?
現金はまだわからないけど、これから警察署に行ってくる!

いやー、信じられない!正直、私はこれから毎日我が家の郵便受けを徹底的に確認するつもりでいたので、本当に信じられませんでした。例え、現金がごっそり全部抜かれてたとしてもこんなラッキーなことはない。断言できる!

夫が警察署に行き、お財布の中身を確認すると、カード類はもちろん現金が全て揃っていました。そして、ここからは夫から聞いた話です。

見つかってよかった!どこに落ちてたんですか?
それは拾った人のプライバシーに関わるので教えられません
え、拾ってくれた人にお礼が言いたいんですけど
もちろん、名前・連絡先は教えられません
じゃあ、お礼のお手紙と菓子折りを…
警察を通して、拾った人に対して手紙や物を贈ることはできません

私達は昭和の人間なので、自分の親が財布や鍵などの貴重品を落として、それを誰かが拾って警察に届けてくれた時、お礼として直接相手の方にお電話したり、菓子折りを渡したり…みたいな事を普通にしてたんですね。だから、それと同じ感覚で「どこに落ちてたか→自分の行動の確認」「誰が拾ってくれたのか→誰に感謝をすれば良いかの確認」として聞いたのですが、香港ではそれは当たり前ではなくプライバシーの保護に徹底しているので驚きました。そういえば、日本でも京都府警が落とし主にお礼の電話を強いるメモを渡してトラブルになっていましたね。(詳しくは京都新聞のニュースをご確認ください→こちら

京都府警の事例を考えると、香港警察の方が無用なトラブルや犯罪を防ぐ事に徹底しているのかもしれません。私達としては、拾ってくれた人に直接お礼が言いたいのは山々なんですが、ここは諦めて旧正月が明けてしばらく経ってから行く予定の黄大仙で拾ってくれた人の分までお祈りしようと思います。

香港警察って、家庭に事情がある優秀な若者をヤ○ザの組織に潜入させる潜入捜査官にしたり、ヤ○ザの下っ端をうっかり警察官にしちゃったりする危うげなイメージがあったんですが(インファナルアフェアの見過ぎ)、全然そんなことありませんでした。みなさん、香港で困ったことが起きたら、安心して香港警察に駆け込んでください!

現金を抜くチョイ悪はいても、IDカードを捨てる極悪はいない香港人

さて、今回の大騒動で私が気になったのは「郵便局員さんのお仕事」。落とした財布を落とし主の郵便受けに届けてくれるなんて、日本ではまず聞いた事がありません。その話を広東語の先生にお話しすると、

拾った財布をポストに入れるのは、悪い香港人だけです(笑)
もしくは、忙しくて警察署に行く暇がない人だけです
えー、でも私がワルだったら、現金だけ抜いて、カード類は細かく刻んで捨てるけどな。ポストに入れるなんて、余計手間だし、万が一警察に指紋取られたら終わりじゃない?
香港人にそこまで悪い人はいませんよ!
お金は抜いても、IDカードを捨てる程の悪い人は香港人にはまずいません

あくまでも先生個人の意見ですが(笑)、やっぱり香港人にとってIDカードは命並みに大切なようです。「強盗はしても殺人はしない」ではありませんが、「現金は抜いてもIDカードは傷つけない」みたいな。

ちなみに、もし香港で落し物を拾った時には、

香港で落し物を拾った時は、ポストに入れるのではなく、警察署に届けるのが一番ですが、近くに警察署がない場合は拾った施設の警備員さんに渡しましょう
だそうです。

郵便ポスト

香港の郵便ポスト。投函口が意外と狭いので、二つ折り財布は入れにくいと思われる

その後、街で郵便ポストを見かけたので、投函口を確認してみました。投函口の高さが意外と小さいので、長財布や小銭入れなら余裕で入れられそうでしたが、二つ折り財布はどう見ても入れられそうにありませんでした。あ、だから、現金を抜くのか!…というのは最低な冗談で、郵便ポストに郵便物以外の物を入れるのはやめましょう。

後日談 返却されたカード類がベタベタする!

キャッシュカードやクレジットカードは、各会社に紛失の連絡をしたため、使用できなくなったので、返却され次第廃棄しましたが、IDカードやポイントカード類は引き続き使用する事になりました。

返却されたカードがベタベタしてて、気持ち悪い!

夫が言うには、落とした財布が返却される際に、警察のほうでカード類が全て財布から出され、大きな紙の上に両面テープで並べるように貼り付けられた状態で確認を求められたそうです。

並べられたカード類

夫の証言をもとに描いた、並べられたカード類のイメージ図。全て両面テープで貼り付けられていたらしい

このカードを貼り付けていた両面テープがなんとも強力で、夫が言うには、カードを財布に入れてもベタベタ、店員さんにカードを渡してもベタベタ、剥がそうとしてもベタベタ、諦めようとしてもベタベタ、何をするにもベタベタベタベタでとてもイライラするそうです。

カードによってはICチップもあるし、どうやってこのベタベタを剥がしたらいいか、ネットで検索して試したところ、ハンドクリームが一番苦労することなくベタベタを剥がすことができました。

ハンドクリームをベタベタの上に少し塗って、広げるようにしながらクルクルととって、最後に水で固く絞ったキッチンペーパーで拭くと、財布を落とす前と変わらぬツルツルのカードに戻りました。

財布を落としてから、戻ってきたカード類のベタベタを取るまでの一連の流れを、ご参考頂ければと思い、この記事を書きました。今回は、落とした財布が無事に戻ってきましたが、こんなラッキーな事は滅多に起こらない事だと思いますので、夫婦共々、貴重品の落し物はこれを最後にしたいと思います。

これを読んでいるみなさんにとって、「この記事が参考になった!」なんて事になるような事態が起きないことを切に願います。



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