香港でも吹き荒れるガッキーならぬギッイー旋風 乒乓情人夢

先日、初めて香港の映画館で映画を観ました。その名も「乒乓情人夢」。
ガッキー主演の「ミックス。」です。

「乒乓=卓球」「情人=恋人」「夢」というのはわかるんですが、続けて読むとどういう意味になるのか、香港人はこのタイトルをどういう風に理解しているのか、気になるところです。

ガッキーの香港でのスチール広告事情

私はガッキーのことが大好きで大好きで、ガッキー教の信者と言っても過言ではないほどガッキーが大好きなのですが、正直言って「ガッキーの人気は日本だけのもの」と思っていました。

なぜかというと、香港の街で見かけるスチール広告の中で、彼女を見かけるのはKOSE雪肌精ぐらいしかないからです。香港なんですから、広告数が少ないのは当たり前と言えば当たり前なんですけど、中華圏の芸能人以外で、一番スチール広告で見かけるのが少女時代のユナなので「香港でも韓流芸能人が優勢で、その中でもユナが一番人気なんだなぁ」と感じていました。ユナの場合、少女時代としての広告を含めても4、5社ぐらいはあるんじゃないかっていうぐらいよく見かけます。

1社しか広告がないガッキーは、ユナと比べたら香港での知名度はイマイチなのかな…

広告であまり見かけることがないガッキーの映画が香港で公開されたところで、見に行くのは私と同じように香港に住んでいるガッキー大好き日本人ぐらいだろうと思っていました。

その日は日曜日の夜で、映画が終わるのも22時近くとかなり遅い時間の回を見る予定だったので、絶対誰も見に来ないだろうと思って、結構のんびりしながら支度をしていました。すると、上映1時間半前になって夫の叫び声が…。

(スマホを見ながら)
まずい!「ミックス。」の座席が8割方埋まってる!
うそでしょ!スマホでできるなら、早く座席予約して!

日本人が多く住んでいる太古の映画館だったので、この時もまだ、「香港中の日本人がガッキー見たさに集まっちゃったのか」ぐらいに思っていました。「ガッキー好きの他の日本人に座席を取られまい」と慌てているからなのか、なぜかスマホで座席を予約することができず、結局、夫が先に映画館に行って、チケットを取ることにしました。

ガッキーの広告を撮影する夫婦

ガッキーの広告を撮影する夫婦(イメージ画像)

思いがけない事態に動揺しつつも、急いで映画館へと向かう途中、私はここで初めてガッキー好きの香港人を見かけました。2017年11月現在、太古駅構内にガッキーの雪肌精の広告が掲示されているのですが、なんと、この広告をスマホのカメラで撮影してる男性がいたのです。彼の年齢はおそらく40代で、隣には呆れた顔で見ている奥さんが立っていました。

「アイツも(チケット争奪戦の)敵か!?」と一瞬思いましたが、すぐに「ガッキー大好き=私と趣味が同じ」ということで仲間意識が芽生えてしまいました。

国籍と言葉が異なるのに趣味が同じ人を見つけるって幸せ…

侮っていた、香港でのガッキー人気

なんとかチケットを入手することができて、座席についてまず驚いたのは「日本語が全く聞こえない」ということです。上映前のザワザワした空気の中で、密かに日本人探しをしていたのですが日本人だと思われる人が1人もいませんでした。もしかしたらいたのかもしれませんが、香港人が圧倒的多数派でした。

さらに驚いたのが、映画を見に来ている層が幅広かったことです。若いカップル・女子2人組・若い男女数人のグループの他に、30~50代ぐらいのご夫婦、40代ぐらいの女性とそのお母さんと思われる女性の2人組…etc。時間帯が遅かったので、中高生ぐらいの子は見かけませんでしたが、それでも「え、あなたも?」と思うぐらい意外な人たちの集まりという感じでした。


そして、後日「乒乓情人夢」を見に行ったこと、観客のほとんどが香港人でびっくりしたことを、広東語の授業で話したところ、先生が急に興奮しだしました。

結衣!?我都好鍾意結衣!
(結衣!?私も結衣が大好き!)
ほう。あなたもガッキー信者でしたか…

先生が言うには、「逃げるは恥だが役に立つ」が香港のテレビ局で放送されて以降、香港でのガッキー人気が高まって、今では「香港人が好きな日本人女優No.1」なんだとか。そういえば、先生をはじめ、香港人の友人やよく行くマッサージ店の日本語がしゃべれるお兄さんもみんな「逃げ恥は見てた」って言っていました。多分、「私の周りにいる日本語が話せる香港人」の「逃げ恥」視聴率100%かもしれません。彼らに「好きな日本の芸能人は?」って聞くと、大体個人名は出てこなくて(笑)、「逃げ恥は見てた」っていう回答が出てきます。ちなみに、

香港人は、新垣結衣のことを日本人と同じように「ガッキー」もしくは「ギッイー(結衣)」と呼びます。

「ギッイー」は「ガッキー」と同じアクセントではなくて、「ギッ」を低く「イー」を高めに言います。イメージすると「ギッ(・)イー( ̄)」ですかね。

ガッキーとジリアン

駅に掲示されているガッキーの雪肌精の広告。隣は先生がおすすめする香港の女性芸能人で、TWICEならぬTwinsのジリアン・チョン。アラフォーらしいが見えない。

ちょっと気になった香港人の笑いのツボ(少しのネタバレあり)

「ミックス。(乒乓情人夢)」は吹き替えではなく、繁体字の字幕付きで上映されていました(英語もついてたかもしれませんが、忘れました)。コメディータッチの映画なので笑うポイントが盛りだくさんなのですが、そこで気になったのが香港人の笑いのツボ。

「視覚に訴える面白さ=表情や光景」に対しては日本人である私とほぼ同じところで笑うのですが、「聴覚に訴える面白さ=セリフやアクセント」や「文化的背景からくる面白さ」に対してやはりポイントが少しずれていました。

少しネタバレになってしまいますが、覚えている範囲で気になったポイントを書いてみたいと思います。登場人物なんかは、こちらで見てみてください。

①広末涼子「(卓球よりも)男釣る方が得意だったからさ」

元ヤンのセレブ妻を演じる広末涼子がガッキーと近況を語り合うシーンで出てきたセリフなんですが、このセリフに香港人が大爆笑でした。日本のドラマや映画ではよく聞くセリフなので、私は「ふーん」と流していたのですが、どっと湧いた笑い声に「ここ笑うところ?」とびっくりしてしまいました。2人が土手に座ってまったり語り合うだけのシーンで、視覚に訴える面白さがあったわけでもないんですけどね。香港人はあまりこういう自虐ネタを言わないのでしょうか。

②ガッキー「外資系企業に転職するの。スキルアップしなくっちゃ!」…外資系?

こちらもガッキーと広末涼子が近況を語り合うシーンで、出てきたセリフです。このセリフのすぐ後に、工場のベルトコンベヤに流れてくる缶詰を段ボールに詰めるガッキーの姿に場面が変わります。上手に缶詰を取ることができず、ラインを止めてしまうガッキーに工場長が怒るんですがこのセリフが外国人風に訛っているんです。「外資系企業じゃなくて、外国人労働者を雇っている工場」で働いていることがこのセリフからわかって、私は笑ってしまったのですが、当然のことながら香港人は誰一人笑っていませんでした。しかし、すぐに休憩中のガッキーに場面が変わり、そこに現れた広末涼子が「そこ外資系だったんだー!」っていうセリフを言って初めて、香港人にも理解できたようで笑いが起こりました。ただし、「ガッキーの嘘が面白くて笑った」のではなく、「ガッキーの嘘が広末にバレたから笑っただけ」の可能性もあります。

③蒼井優「はい、麻婆豆腐お待ち!」ガチャン

中華料理店の奥様を演じる蒼井優が、お店の名物料理・激辛麻婆豆腐をキッチンから運んでテーブルに置くシーンが何回も出てくるのですが、私は初回で笑ってしまいました。よく海外のレストランでは、店員さんが「ガチャン!」と大きな音を立てて料理を投げるようにテーブルに置くと思うのですが、彼女はそれを何回もやっていました。私は「あるある!池袋にある中国人経営の中華料理店でよくある!」と思って、笑ったのですが香港人は誰も笑っていませんでした。私は初回で笑ってしまったので、回数を重ねるごとに段々その面白さが薄れてしまったのですが、蒼井優は回数を重ねるごとにさらに激しい音を立てて料理を投げるので、最後にはなかなか良い「ガチャン!」が出てくるようになって、香港人も爆笑していました

④生瀬さん…

ガッキーと瑛太が卓球を極めるために、強いと噂されている数々のミックスペアに勝負を挑むのですが、その中の1組として生瀬さんが出ていました。生瀬さんがどういうお姿で出ていたかは公式サイトの相関図を見てもらえば、お分かりいただけると思うのですが、こちらはこの面白さが香港人にはわからなかったようです。私は「なんで生瀬さんがこの役を!」と心の中でツッコミつつ、笑ってしまったのですが、まさかの静けさでした。

字幕を見て一つ気になったのが、広末涼子がガッキーを呼ぶときの呼称です。広末が演じるのは、ガッキー演じる多満子の亡き母・華子(真木よう子)が遺したフラワー卓球クラブに若い頃から出入りしている、ガッキーの幼馴染で姉貴分・弥生という役。華子の娘ということで、弥生は多満子の事を最初から最後まで「お嬢」と呼びます。「お嬢」って「お嬢様」よりもちょっと砕けてて、教師で極道の娘が主人公のあのドラマでも「お嬢」と呼ばれていたように、あまり上品ではないイメージだと思います。弥生が多満子を「お嬢」と呼ぶ事で、年齢を超えた二人の親密さを演出していると思うんですが、字幕では終始「多満子」でした。他の人が多満子を呼ぶときも「多満子」で訳しているので、「二人の特別な関係性がわかりにくいのでは?」と思いました。
また、ラストに弥生が「私たちのお嬢が帰ってきた(すみません、またしても正確なセリフを忘れました)」みたいな事を言うのですが、ここでは「乒乓神童」と訳されていました。

チケット代は大人1人80HKD(大体1,200円ぐらい)でした。大人1人1,800円の日本より断然安いですね。今回は邦画だったので、日本の公開日よりも遅いタイミングで見ることになりましたが、洋画は香港の方が早く公開されます。これは、香港が早いのではなく、日本が遅いことで有名ですね。遅い上に、高い。どうなってるんだ、日本の映画業界!

ちなみに、香港人の「エンドロールを最後まで観る率は10%以下」でした。エンドロールの途中で電気が完全についてしまったぐらいなので、映画主題歌を香港人に売り出そうと思ったら、ジャッキー・チェンみたいにNG集を流すか、ガッキーに卓球ラケット持ってもらってピンポンダンスをお願いするぐらいしないとダメです。

香港でのガッキーの凄さを日本のみんなに伝えたい

フジテレビ制作の映画なんで、「ミックス。」のラストは見なくても誰でも想像できる終わり方だったんですが、私としては「香港人とガッキーのかわいさを共有できてよかった」と心から言える作品でした。

近年、テレビ局による「日本をやたら自画自賛する番組」が増えているのを受けて、ずっと違和感を覚えていました。「実はすごいのを隠す、能ある鷹は爪を隠すのが日本の美学だろ!」と、その手の番組は敬遠していました。でも、今なら言えます。「世界における日本の凄さを自画自賛するなら、早急にガッキーを特集しろ!」と。こんな場末のブログで、どれだけガッキーが香港で愛されているかを叫んでも影響力なんて皆無ですから、すぐにでも取材していただきたいです。あ、必要なら企画書つくって送りますよ?

「香港人もガッキーが大好き」というのを肌で感じられて、この1週間私はハッピーな気分で過ごしていました。言い過ぎだろ、と思われるかもしれませんがガッキー教の信者的には自分の宗教が海外に認められることほど幸せなことはありません。

ああ、ガッキー教の信者に生まれて、よかった!


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